まず、よく言われてる「ポニョって何よ?」、「魚の子じゃないの?」という点。ヤツは、「父なるダゴン」と「母なるハイドラ」、そして全ての水棲生物の支配者である「大いなるクトゥルー」を崇拝する「深きものども」に違いありません。
ヤツが魔法を使う時に垣間見せるあの「インスマス面」が、その何よりの証拠。魚というより、両性類に近いソレらは、人類と交配してその数を増やしながら、「大いなるクトゥルー」の復活の日に備えて準備を進める、旧支配者の眷属に他ならないのです。
「かつては私も人間だった」というポニョの父親による台詞。否応なく、マサチューセツ州の港町インスマスに「深きものども」を引き込んだ、かのオーベッド・マーシュ船長を彷彿とさせます。オーベッド船長を含めたマーシュ家の人間は、「深きものども」を妻に娶り、その見返りとして巨財を築きあげました。
しかし、その「深きものども」の血を受け継いだ子孫たちは、生まれてからある程度の期間は普通の人間と変わらない姿をしてはいるものの、同族との接触や極度のストレスなどをきっかけに「インスマンス面」と呼ばれる「蛙に似た容貌」に変容するのです。
そして、ポニョの父親の「悪い魔法使い」という設定については、ダンウィッチにて「ヨグ=ソトース」を召還する儀式を執り行い、ソレを実の娘に娶らせた「魔法使いノア・ウェイトリー」の所業をも想起させます。というか、環境保護思想も潔癖すぎるとああなるよっていう逆説的なメッセージにもとれますけど。
さらに、あの「巨大なお母さん」について。アレが「ダゴン」なのか「ハイドラ」なのかはわかりませんが、デボン紀の海を懐かしむソレは、間違いなく「大いなるクトゥルー」の崇拝者であり、正史以前の地球に君臨していた「旧支配者」に違いありません。
しかも、ポニョパパがアレを「あの人」と呼び、決して名前を口にしないのは、その名前が「忌み名」だからです。旧約聖書の唯一神「YHWH」のように、その名をみだりに唱えてはならないほど、アレは高い神格だってことをも示しているわけです。メガテンでいうとLv90ぐらい。
あと、諸星大二郎の漫画『栞と紙魚子』シリーズに出てくる、「クトゥルーちゃん」の「お母さん(巨大。ドアを開けるといつも顔だけしか見えない。)」が、あの母親にそっくりなんですよね。ていうか、その夫「段一知(普通の人間)」とその娘「クトゥルーちゃん」の家族関係が、ポニョの家族と被ります。パクリとかそういう低脳な指摘はしないけど、全く意識してないとはいえないでしょう。
最後に、主人公?の男の子がたどるであろう今後の運命について。クトゥルー的に考えると、「犬に噛み殺される」とかろくな死に方はできなそう。あと、「生まれた双子の子供のうち一人はあまりにも異次元の血が濃く、その巨大な姿を世間の目から隠すために納屋の改築を繰り返す人生」とか。